海岸線の総延長が約584kmもある石川県。奥能登では、今も続く里山里海と寄り添う暮らしが国連の「世界農業遺産」に認定されています。また幕末から明治にかけて、北前船貿易の豪商を数多く輩出した加賀、そして金沢。石川には豊かなと関わってきた歴史が刻み込まれています。
そんな石川の、“海の今”を伝える【海と日本プロジェクトinいしかわ】が、今年もスタートしました!!
2011年、国連食糧農業機関から日本で初めての世界農業遺産に認定された「能登の里山里海」。実に豊かな海や山が、人々の暮らしの源となっていることが、ひしひしと感じられます。
能登半島の先端・珠洲市では、2017年秋に50日間にも及ぶ「奥能登国際芸術祭」が開催されました。【海と日本プロジェクト】としても海辺の作品を中心に訪れましたが、様々な芸術家が描いた作品群に、地元に居ても知らなかった能登の海の魅力や歴史の奥深さに気付かされました。
「奥能登国際芸術祭」には全国から大勢の人達が現代美術の鑑賞に訪れました。そんな人達が能登の地で触れたのは、作品ばかりではありません。素朴で豊かな里山里海の暮らし、美味しいご飯、優しい人々でした。「能登はやさしや土までも」という言葉が残る土地です。実際に能登を訪れると本当に能登人は優しいのです。命の源である海に寄り添うように、人にも寄り添ってくれる──それが能登です。
時代の流れで、奥能登の人口流出に歯止めがかかりません。無論、若者が夢を抱いて東京や大阪に出て行くのは、決して悪いことではありません。その一方で、都会に暮らす人達の能登への移住も目立ちます。奥能登国際芸術祭事務局にも数名の移住者が働いていました。
そんな人達が口にするのは、「都会にないものが、ある」という言葉です。地元の人間も見落としがちな贅沢極まる里山里海という財産、そして能登人。それを持たない都会の人達が気付いてくれている…。奇妙ですが、有り難い現象です。
石川の海にまつわる話は、能登だけではありません。加賀や金沢には、幕末から明治にかけて日本海を駆けめぐった北前船の歴史が息づきます。例えば北前船貿易で巨万の富を築き上げた豪商・銭屋五兵衛は著名ですが、五兵衛が生まれ育った金石や隣の大野町に刻み込まれたDNAは、連綿と受け継がれており、町を歩けば古びた屋敷や味噌醤油工場を目にすることが出来ます。
更に壮大な北前船の痕跡を誇るのが加賀市橋立。2017年4月28日「北前船寄港地・船主集落」として文化庁の日本遺産に認定された橋立の町には、往時の繁栄を彷彿とさせる船主屋敷が今も数多く佇んでいます。現存する船主邸は14棟、船頭邸7棟。鮮やかな赤瓦iに加え、船板塀や笏谷石(しゃくだにいし)が、当時の隆盛を物語ります。
海と深くつながる石川で、今年も【海と日本プロジェクトinいしかわ】は様々な取り組みを行います。昨年開催した【うみぽすグランプリ】【恋する灯台プロジェクト】【さばける塾inいしかわ】は、今年も開催する予定です。また、2016年夏に実施した【給スイカステーション】も復活します!! 幼稚園児達のかわいい【うみダンス】も!!
実に盛りだくさんの内容です。皆さんも【海と日本プロジェクト2018】を応援して下さいね!!