東京・赤坂でフランス料理店を営んでいた長竹俊雄さん・幸子さん夫婦は、骨を埋める場所として、2013年に七尾市の能登島へやってきました。能登島の風景を未来へつなぐため、「能登島San-souci」で食を通して情報発信する長竹さんのインタビューをYouTubeに公開しました。
長竹俊雄さん、幸子さんご夫婦は2人ともフランス料理店で修業している時に出会い、東京・赤坂で夢だったフランス料理店を開きました。5年ほど経ったころ、「食材もわざわざ田舎から仕入れるのではなく、その土地で暮らし、自給自足に近いような環境で、私たちの料理を少し足して暮らせたら」と能登島へやってきました。俊雄さんは漁業権も取り、自分で採ってきた海の幸と能登島の食材を生かした料理で1日1組の客をもてなします。「風土を感じたいという人が多いので、なるべくストーリーを知っているものをお出ししています」と幸子さん。しかし2人は、少子高齢化で山が荒れ、海が荒れ、魚が少なくなることを不安に感じています。
多い時は6,000人が暮らしていた能登島ですが、現在は半数近くまで人口が減少しました。美しい里山里海を維持するためには、後継者の確保が急務です。鰀目漁港の漁師達は、こども達に興味を持ってもらおうと、地引網などの自然体験活動を行っています。漁師の木戸涼太さんは「漁師に興味を持って、能登島でなくても漁師になってくれたら…」と思いを語ります。一方で、地球温暖化など海洋環境の変化で漁師になっても魚が獲れるのかが心配だと言います。
長島さんご夫婦は「(お店は)能登島はこんなにいい所なんですよとアピールするための場所として情報発信していきたいし、町の子どもたちが海を愛してもらえるきっかけづくりや学ぶ場所をつくれたら」と夢を話してくれました。