地球温暖化に伴う海面水温上昇で、本来は南方系の魚種だったサワラが、熱すぎる西日本の海から北陸沖に生息域を移してきています。そのため2000年頃から石川沖ではサワラの水揚げが急増。今や定置網漁の漁獲金額ベースでは、1位のブリに次ぐ2位になっています。サワラ漁獲量はお隣の福井県が全国一位ですが、石川も全国トップレベルなのです。
ところがサワラは元々は獲れなかった魚種なので、石川に食文化がありません。近年は飲食店でも寿司や刺身で提供されることも増えていますが、市民の認知は非常に低いのが現状です。
しかし、全国トップレベルのサワラ水揚げになっている以上、この“未利用魚”を地元で消費することが、漁業従事者の生活を支えることになります。全国から羨まれるほど美味しい石川の魚。その伝統を継続するには、漁師さん達の生業を支援することが大切です。
というわけで、ファストフードとしてサワラを消費するアイディアを子ども達に考えてもらうのが狙いでした。このため石川テレビでは、その「サワラのヒミツ」をテーマとした2泊3日の海洋学習イベントを、昨夏開催しました。参加したのは石川在住の小学5・6年生児童19人。
金沢港で海と漁業、そしてサワラという魚種のことを学び、延伸開業したJR北陸新幹線で福井県・若狭湾に遠征し、様々な海の体験と学びを展開しました。
最後の3日目は金沢勤労者プラザに戻り、サワラのブツ切りの三枚おろしに挑戦。サワラフライとカレー味炒めに調理した後、ファストフード作りにチャレンジしました。自分達で作った惣菜パンを試食し、その感想を元に個々が美味しいと思うレシピを考えてもらいました。
それから半年余り。金沢のイタリアンレストラン「ラットリアトレ」さんが、こども達のアイディアを生かした新しサワラバーガーを開発してくれました!
金沢の港町・大野産の塩麹にサワラを漬け込み、これをフライにし、自慢の自家製モッツァレラチーズを乗せてバンズで挟んだ絶品サワラバーガーが生まれたのです。
新しく開発されたサワラバーガーは、3月中下旬からグループ店で金沢港に近い「calcolo(カルコロ)」(金沢市戸水町2-70)と、JR金沢駅東口・フォーラス裏通りの「金沢フードマーケット」(金沢市堀川新町1-11)で販売されます。是非ご賞味を!