江戸時代後期から明治時代にかけて、日本海を舞台とした航海で莫大な富を築き上げた北前船。中でも加賀市橋立、塩屋、瀬越は名だたる豪商を輩出した北前船ゆかりの町です。橋立には当時の繁栄を彷彿とさせる北前船主の屋敷14軒や船頭邸7軒が残っており、2005年12月27日には、この「船主集落」が国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されていました。そしてこの4月28日、「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間〜北前船寄港地・船主集落〜」として文化庁の日本遺産に認定されました。今回の日本遺産は、加賀市をはじめ、函館市、松前町、鰺ヶ沢町、深浦町、秋田市、酒田市、新潟市、長岡市、敦賀市、南越前市の7道県11市町が連携して描いた「北前船のストーリー」として認定されたものです。
橋立には「北前船の里資料館」がありますが、ここは明治9年に北前船主・酒谷長兵衛が建てた屋敷。様々な資料や色鮮やかな北前船の絵馬などが展示されています。命がけの航海で莫大な富を築き上げた豪商たちの栄華が偲ばれる資料館は、一見の価値ありです。
毎年ゴールデンウイークに、橋立で「北前船の里まつり」が開かれていますが、11回目を迎えた今年は、日本遺産の認定の朗報もあって参加者の皆さんにとって格別なイベントとなったようです。橋立には「北前船の里資料館」の他、国の重要文化財に指定されている「忠谷家(ちゅうやけ)住宅」や「蔵六園」など随所に見所があります。また近くには、加賀が誇る景勝地・加佐の岬もありますので、休日に訪れてみてはいかがでしょうか。
橋立の北前船主集落や北前船の里まつりの模様は、5月20日(土)17:25〜17:30の石川テレビ【いしかわの海】で放送しました。