2019年も何度も報じられたのが、日本の排他的経済水域(EEZ)での北朝鮮や中国の漁船による違法操業だ。能登町小木は全国屈指のスルメイカ漁獲高を誇る“イカの町”だが、好漁場である大和堆で外国船が違法な漁を行い続けるため、小木漁協所属の中型イカ釣り漁船がイカ漁を行えず、2019年は2018年の漁獲高の60%程度に落ち込み、3年連続で過去最低を更新する。
小木のイカ釣り漁は明かりを点けて疑似餌で釣るのに対して、外国船は網でイカを獲る漁法。スルメイカは1年魚のため、資源量は年々枯渇する一方なのだ。
また地球温暖化による日本海の海水温上昇は世界でも突出して高いことが、スルメイカの生態にも影響を与えており、これもイカ資源量激減の大きな要因となっている。
12月25日(水)の石川テレビ「石川さん Live News it !」では、イカ不漁に苦しむ小木の姿を特集した。
存続の危機に立たされている能登町小木のイカ釣り漁。日本海での外国船との“衝突”を避けるため、2020年は遥か3300km離れた太平洋でのアカイカ漁に乗り出す漁船も出てくると言う。改造には1隻あたり2000万円を要し、燃料代も飛躍的に増えてしまうが、イカ釣り漁を続けるための選択肢は限られている。
海水温上昇に違法操業――。小木の漁師たちを取り巻く環境は厳しい。