「奥能登国際芸術祭」リポート第13弾は、漂流物の話です。
能登の海岸には昔から様々な物が漂着した。粗末な漁具しか持たない古代人にとって、鯨の死骸などは正に海の恵み。海を神と崇める信仰が芽生えたのは想像に難くない。
珠洲市三崎地区の粟津海岸に小山真徳さんが置いた「最涯(さいはて)の漂着神」は、難破船を神殿に、鯨の骨を参道や鳥居に見立て、古代の信仰を彷彿とさせる。文明が進んだ大陸の遺物なども漂着し、それを神として奉った神社は、奥能登に数十カ所もあるそうだ。恵みをもたらす万物を神と崇め、或いは畏れ、感謝する日本人の心が根づいてきた。
漂着神が鎮座する粟津の海岸には、大量のプラスチックゴミが漂着していた。醜い。漁業の技術が発達し、当然のように美味しい魚や貝が食べられる現代。だから私たちは、海を見なくなったのだろうか。
イベント名 | 奥能登国祭芸施術祭 |
参加人数 | 参加アーティスト 11の国と地域から39組 |
日程 | 2017年9月3日(日)〜10月22日(日)までの50日間 |
場所 | 石川県珠洲市全域 |
主催 | 奥能登国祭芸施術祭実行委員会 |