木曳野小学校の児童達は、地元の石川県銭屋五兵衛記念館は学校の社会見学で訪れたことがありました。が、学んだのは地元・金石が生んだ豪商の功績が主体でしょう。しかし能登にも北前船の影響が今も残ることを肌で実感する機会は無かったのでは? のと里山里海ミュージアムで七尾と北前船の関係を学んだ子ども達は、北前船ゆかりの商店街・一本杉通りへ。
今や石川で唯一軒、北海道から仕入れた昆布を加工して販売する昆布海産物處しら井では、白井洋子さんから北前船貿易がもたらした「昆布ロード」について学びました。
北前船は、美味しい出汁が取れる北海道産の昆布を積んで持ち帰り、加賀能登は無論、西日本や関西の「味の源」を築き上げたのです。金沢は無論、京都や大阪、博多に至るまでの食文化の基本です。石川で昆布を仕入れてちゃんとした加工食品を作っているのは、しら井さんだけなのです。
一本杉通りにある北前船ゆかりの店が、これも石川唯一の和ろうそく製造販売高澤ろうそく店。木訥とした語り口の高澤行江さんは、北前船貿易で和ろうそくの原料を西日本で仕入れ、それを七尾の地で美しい和ろうそくに加工して輸出した歴史について説明してくれました 。七尾伝統の和ろうそくも北前船ゆかりの産業と知って、こども達は驚いていました。「意外な海の幸」です。
遊覧船で七尾湾を巡った後、こども達は再びのと里山里海ミュージアムへ。今日一日で学んだことを報告して共有してくれました。金沢が生んだ北前船の豪商・銭屋五兵衛のことは知っていても、能登の七尾に北前船の影響が産業として根付き続いていることを実感できたようです。
11月20日(土)、21日(日)の2日間続きで行った海のイベント「北前船の歴史と産業、漁業を学ぼう」。参加した子ども達には、石川県の海の幸を使ったオリジナルの“海むすび”のアイディアを宿題として提示しました。一体どんな“海むすび”が出来上がるのか、楽しみですね。
イベント名 | 北前船の歴史と産業、海と漁業を学ぼう |
参加人数 | 金沢市・木曳野小学校17人 |
日程 | 2021年11月21日(日) |
場所 | 金沢市、七尾市 |
主催 | 海と日本プロジェクト in 石川県実行委員会 |