最終プログラムは珠洲市三崎町の旧小泊小学校を活用した金沢大学能登学舎。ここは国連の世界農業遺産に認定された能登の里山里海を保全しつつ、人間と暮らしの新しいカタチを模索する能登里山里海SDGsマイスタープログラムの研究拠点です。
学びのテーマは能登の海岸に漂着する海洋プラスチックごみ。講師は、金沢大学能登学舎の木下靖子特任助教です。
木下さんは、こども達に「プラスチックとはどんな素材か」を考えてもらいます。渡したのは、海綿とヘチマの自然物、そして人工物のスポンジ製品2種類。海綿動物は英語で「sponge=スポンジ」。私達が台所で使うスポンジ、元々は自然物である海綿やヘチマを使っていたのですが、それが「プラスチック」という加工しやすい人工素材に変わっていったのです。
安く丈夫で加工しやすいプラスチックは、人類にとって欠かせない素材です。しかしその「壊れにくい」プラスチック製品が海に流出するとどうなるか。数百年も分解されない海洋プラごみの実態を、こども達は実感することができました。
続いては、環境に優しい製品を製造販売する金沢の会社・ロータスコンセプトの蒲田ちか代表がリモートでワークショップ。小松産の大麦の茎からストローを作ります。麦わらは英語で「straw=ストロー」。スポンジ同様、プラスチック製品が世に出る前は、大麦の茎がストローとして使われていたのです。
こども達は麦わらの節の間をハサミで切って皮を剥くというシンプルなWSを行いました。ツルンとした大麦ストローは、まるでプラスチックの様です。熱湯消毒した製品版の大麦ストローで水やお茶を飲んでも違和感がないと驚きました。蒲田さんは、大麦ストローなら例え海に流出してもダメージがないことを子ども達に伝えたのです。
イベント名 | いはての珠洲 海の恵みと漂着物 |
参加人数 | 能登町 柳田小学校19人、小木小学校10人 |
日程 | 2021年8月4日(水) |
場所 | 珠洲市三崎町小泊 金沢大学能登学舎 |
主催 | 海と日本プロジェクト in 石川県実行委員会 石川テレビ |
協力 | 金沢大学能登学舎(能登里山里海SDGsマイスタープログラム事務局) |