レポート
2022.07.30

七尾湾「魚のゆりかご」海の環境調査隊 レポート⑦

ガラモ場などの海藻と、海草アマモを深く学ぶ

  1. 会場:のと里山里海ミュージアム
  2. 海藻と海草を集中的に学びます
  3. “海藻博士” 池森さんが再び登場

2日目の朝、海洋環境調査隊の子ども達は能登島を離れて七尾市へ。のと里山里海ミュージアムで海藻の集中講義に臨みます。再び登場したのは、“能登の海藻博士”こと池森貴彦さんです。

能登の海が誇る全国随一の海藻について解説

  1. 様々な海藻の種類と特徴を解説
  2. 能登の海は全国最大のガラモ場
  3. 命を育てる藻場は魚のゆりかご

池森さんが解説したのは主にホンダワラ類などのガラモ場のこと。能登は全国随一、12,000ヘクタールの広大なガラモ場を誇っており、豊かな藻場が魚介類の命を育んでいることを伝えます。能登の里山里海は国連の世界農業遺産に認定された通り、古来より海の恵みを頂いてきた歴史があります。特に奥能登にはアカモク、ワカメ、カジメ、ツルモ、ギバサ、モズク、イワノリなど、30種類もの海藻を食べる文化が根付きます。珠洲市の旅館や飲食店では、季節ごとの海藻をしゃぶしゃぶで提供するほど。池森さん自身も海藻料理を作られるそうで、モズク入り冷製パスタなどの料理も紹介しました。

七尾湾は国内有数のアマモ群生地

  1. 能登の森里海研究会・大慶さん
  2. 七尾湾のアマモ場は貴重な財産
  3. 海草アマモに興味があった児童

続いては能登の森里海研究会の大慶(おおけい)則之会長。大慶さんは2019年に石川県水産総合センターを定年退職した後、地元の七尾湾でアマモを守る活動に取り組んでいます。

アマモは地球温暖化の抑止に大きな役割を果たす

  1. まずは七尾湾の特徴を学びます
  2. アマモは魚貝の隠れ家・産卵場所
  3. 二酸化炭素を吸収し固定する

七尾湾は日本海側最大の内湾で国内屈指のアマモ群生地ですが、2012年には海水温上昇の影響で大半のアマモが無くなったことも(現在は40%ほどまで回復していると見られる)。アマモは、様々な魚貝の命を育むだけではなく、地球温暖化の原因となっている二酸化炭素を吸収・固着し、光合成によって酸素を生み出す役割があります。その過程で水質を浄化する特徴もあり、大慶さんは、アマモ場を守ることは、海だけではなく陸上にとっても大切なことだと子ども達に伝えました。

大慶さんはアマモを増殖する活動をしている

  1. 和倉温泉の西側・七尾西湾の海
  2. 作業小屋ではアマモの種を保存
  3. アマモの種まき・航空石川も協力

アマモは海草です。陸上の植物と同じように根を張り、種を作ります。大慶さんは8月頃にアマモの種を集めて保管し、アマモ保全に協力する人達と共に10月〜11月に七尾湾に種を撒いて、アマモ場の再生に取り組んでいます。種まき作業には、あの航空石川高校潜水部も協力しているのです。

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イベント詳細

イベント名七尾湾「魚のゆりかご」海の環境調査隊
参加人数小学校5・6年生 16人
日程2022年7月27日(水)〜28日(木)
場所七尾市・のと里山里海ミュージアム
主催海と日本プロジェクトin石川県実行委員会 石川テレビ放送
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