2日目の朝、海洋環境調査隊の子ども達は能登島を離れて七尾市へ。のと里山里海ミュージアムで海藻の集中講義に臨みます。再び登場したのは、“能登の海藻博士”こと池森貴彦さんです。
池森さんが解説したのは主にホンダワラ類などのガラモ場のこと。能登は全国随一、12,000ヘクタールの広大なガラモ場を誇っており、豊かな藻場が魚介類の命を育んでいることを伝えます。能登の里山里海は国連の世界農業遺産に認定された通り、古来より海の恵みを頂いてきた歴史があります。特に奥能登にはアカモク、ワカメ、カジメ、ツルモ、ギバサ、モズク、イワノリなど、30種類もの海藻を食べる文化が根付きます。珠洲市の旅館や飲食店では、季節ごとの海藻をしゃぶしゃぶで提供するほど。池森さん自身も海藻料理を作られるそうで、モズク入り冷製パスタなどの料理も紹介しました。
続いては能登の森里海研究会の大慶(おおけい)則之会長。大慶さんは2019年に石川県水産総合センターを定年退職した後、地元の七尾湾でアマモを守る活動に取り組んでいます。
七尾湾は日本海側最大の内湾で国内屈指のアマモ群生地ですが、2012年には海水温上昇の影響で大半のアマモが無くなったことも(現在は40%ほどまで回復していると見られる)。アマモは、様々な魚貝の命を育むだけではなく、地球温暖化の原因となっている二酸化炭素を吸収・固着し、光合成によって酸素を生み出す役割があります。その過程で水質を浄化する特徴もあり、大慶さんは、アマモ場を守ることは、海だけではなく陸上にとっても大切なことだと子ども達に伝えました。
イベント名 | 七尾湾「魚のゆりかご」海の環境調査隊 |
参加人数 | 小学校5・6年生 16人 |
日程 | 2022年7月27日(水)〜28日(木) |
場所 | 七尾市・のと里山里海ミュージアム |
主催 | 海と日本プロジェクトin石川県実行委員会 石川テレビ放送 |