日本は四方を海に囲まれた海洋国家です。例えば幕末から明治にかけて海を股にかけた北前船の海運が、海産物や食文化を伝え、全国各地の港町に新しい産業が根付きました。船の安全な航海にとって欠かせないのが「灯台」ですが、現代はGPS発達によって「海の道標としての灯台」の役割は薄れつつあります。
しかし灯台には歴史的価値や文化的価値があり、海を一望する岬や島など絶景ポイントに立地していることから、これを観光資源として利活用しよう──というのが、海と灯台プロジェクト。日本財団は灯台の利活用を支援するため、2022年度から「新たな灯台利活用モデル事業」を推進しています。
6月7日、東京・銀座で初めて開催されたのが、各地のモデル事業実績を報告する「海と灯台のまち会議」です。
まずは愛知県、北海道、鳥取県、和歌山県の4エリアで展開された灯台の利活用事業についての報告が。絶景灯台でのウエディング、マンガ製作、灯台敷地での宿泊など海と灯台のポテンシャルを引き出す取り組みが紹介されました。
会議で印象的だったのが、日本財団の支援を受けて一足早い2021年度から「かもめ島マリンピング」という新しい取り組みを実施する北海道江差町の鴎島(かもめじま)。登壇した北海道江差観光みらい機構の宮崎拓馬さんは鴎島灯台横でのグランピングや手ぶらキャンプに加え、海の体験や海洋教育拠点としての鴎島灯台の利活用策を報告しました。
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さて。灯台があるのは、海を見渡せる岬や島。例外なく海を望む絶景ポイントですが、過疎地が多いのも事実…。そんな灯台の魅力をどうやって発信すれば良いか──各地の自治体や観光関係者の悩みですが、宮崎さんは最後に、色んな方から言われるSNS時代ならではの強力なヒントを紹介してくれました。
文章量より情報量より、一枚の写真。
イベント名 | 海と灯台のまち会議 |
日程 | 2023年6月7日(水) |
場所 | 東京・銀座 時事通信ホール |
主催 | 一般社団法人 海洋文化創造フォーラム、日本財団「海と日本プロジェクト」 |