能登さいはての珠洲を舞台とした「奥能登国際芸術祭2023」レポートVol.2。
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2023年5月5日に珠洲市で発生した震度6強の地震は、大きな被害をもたらしました。家屋の倒壊や破損が相次ぎ、今なお民家の屋根を覆うブルーシートが散見されます。9月2日(土)開幕予定だったトリエンナーレ「奥能登国際芸術祭2023」は、当初予定の会期を3週間繰り下げての開催に漕ぎ着けました。珠洲に暮らす人々はもちろん、参加アーティストやサポーターの方々が『負けとられん珠洲!!』を合い言葉に一丸となって進めてきた復興の歩みが、芸術祭の実現につながったのです。
「奥能登国際芸術祭2023」開幕まで20日を切った9月4日。珠洲市三崎町小泊の海辺にある晩夏の新出製材所に響き渡るのは、甲高いノミの音。愛知県出身の作家・小山真徳さんが、無垢材を彫って木像づくりに汗を流していたのです。作品製作は8割ほど進捗、猛暑が続く中での追い込み作業でした。
小山さんの出展作は「ボトルシップ」。能登半島さいはての珠洲の海岸には、古来より波に乗って様々な物が流れ着きます。大きな流木や、大陸で作られた仏像、海洋生物の死骸や骨、海藻…。小山さんの興味を惹いたのは漂着物ではなく、様々なモノが流れ着くという現象そのものでした。
若山町・北山の近くには、旧上黒丸小学校があります。その教室には、今回初めて参加するアーティスト・泰然+きみきみよさんの作品「あかりのありか《のと》」が完成の時を迎えていました。
童話作家・きみきみよさんが珠洲の名所や行事を書いた童話を、地元のこども達が積み木で表現。各作品のイメージを大切にしながら、泰然さんがLEDライトを組み合わせた色鮮やかな作品です。
イベント名 | 奥能登国際芸術祭2023 |
日程 | 2023年9月23日(土)〜11月12日(日) ※毎週木曜日は屋内作品休館 |
場所 | 珠洲市全域 |
主催 | 奥能登国際芸術祭 実行委員会 |