奥能登国際芸術祭2023レポートVol.6は、とてつもない海の絶景が連なる外浦エリアです。
笹波海岸には過去、珠洲の海岸に漂着する海洋プラスチックごみを題材とした作品が展示されました。奥能登国際芸術祭2017では深澤孝史作「神話の続き」、奥能登国際芸術祭2020+ではスボード・グプタ作「私のこと考えて」。
今回は人類の知恵の木を表現したスペインの作家アナ・ラウラ・アラエズ作「太古の響き」が設置されています。
馬緤町から大谷町の海沿いは、様々な表情の海岸が見られる絶景海道。小さな観光スポットゴジラ岩近辺は、冬に岩ノリが採れる平坦な磯が広がります。その海岸に陽光を受けて煌びやかに輝く鳥居が設置されました。アゼルバイジャンの作家ファイグ・アフメッド作「自分への扉」です。鳥居の表面には無数のスパンコールが取り付けられ、極彩色の光を放ちます。干潮時は作品まで近づけますが、長靴を持参することをおすすめします。
コロナ禍で1年延期開催となった奥能登国際芸術祭2020+のシンボルとも言えるのが、旧西部小学校の体育館に様々な民具を配置したスズ・シアター・ミュージアム「光の方舟」。同小学校の跡地は日本海を一望できる展望の地で、ここに新しく登場したのが建築家・坂茂さんがデザインした「潮騒レストラン」です。昼間は海と空の青、遠く七ツ島を眺めながら過ごせる贅沢なスペースです。開幕前日のオープン式典に出席した泉谷珠洲市長によると、オレンジに染まる夕陽が海に沈む光景は圧巻だとのこと。
昭和レトロな響きの「潮騒レストラン」とは、廃校となった西部小学校の食堂の名称だったそうで、先進的アート作品展示に止まらず、人々の思い出や心に寄り添うのが芸術祭の神髄なのかも知れません。潮騒レストランでは、芸術祭グッズも販売されています。
外浦海岸沿いの奥能登国際芸術祭を象徴する常設作品。
①スズ・シアター・ミュージアム「光の方舟」
②珠洲海道五十三次 (折戸と笹波のバス停)
③塩田千春「時を運ぶ船」
イベント名 | 奥能登国際芸術祭2023 |
日程 | 2023年9月23日(土)〜11月12日(日) |
場所 | 珠洲市全域 |
主催 | 奥能登国際芸術祭実行委員会 |