レポート
2025.02.01

【海の地図PROJECT】能登半島地震の影響を可視化 Vol.1

世界初の技術で浅海域の地形を可視化

  1. 東京港区赤坂・日本財団
  2. 海の地図PROJECT記者発表
  3. 日本水路協会 加藤茂理事長

1月31日(金)東京都港区赤坂の日本財団で、2024年元日に発生した最大震度7の能登半島地震による沿岸海域への影響を緊急調査した「海の地図PROJECT」の報告会記者発表がありました。「海の地図PROJECT」は2022年にスタート。その目的は日本海沿岸の比較的浅い海域の地形を航空機からのレーダー解析によって可視化することで、世界初の取り組みです。2022年からの10年計画で日本財団が200億円の資金を拠出。航空機から沿岸の浅い海域・浅海域(せんかいいき)へのレーダー照射による測量を元にした画像による可視化は、日本水路協会が担いました。

能登半島地震を受けた緊急調査の報告

  1. 「海の地図PROJECT」概要
  2. 航空機からのレーダー照射
  3. 震災前後の変化が明確に

海の地図PROJECT」がスタートしたのは2022年。その6月には奥能登で震度5弱の地震が発生しており、同年9月に航空機による奥能登沖の海底地形が測量されました。そして2024年元日に能登半島地震が発生。主に能登半島北側から西側にかけて海底地盤が2m〜4m隆起、数千年に一度と言われる地殻変動が起きました。それを受けて震災後の浅海域の地形変化の調査が行われ、それよって得られた緊急報告が行われたのです。

※画像提供:日本財団

調査で得られたデータの活用方法とは?

  1. パネルディスカッション
  2. 浅海域データ活用を議論
  3. 日本財団・海野光行常務理事

 私は、能登半島地震に遭った石川県当事者として記者発表に出席しました。震災後の能登の海を視察し、映像に記録してきましたが、改めて上空からのレーダー照射による可視化画像データを見て、地形変化の凄まじさを実感しました。現地で目視できるのは隆起海岸の姿ですが、その地形の変化の可視化画像は、かなり衝撃的でした。

 ※画像提供:日本財団

 この浅海域調査によって得られた結果活用について日本財団の海野光行常務理事は、最も浅海域データを必要とするのは地元の漁師さん達ではないか。新しい漁場の推測はもとより、漁船の安全航行を知りたがっいる筈だとの見解を述べました。
 これまで漁師達は船を出すにあたり、経験則で海底の岩礁を避けて安全航路を選んでいたのが、震災による著しい海底地盤隆起によって、どこを通ると座礁するのか分からなくなっているはず。そのために沿岸海域の地形を可視化できれば安全航行できる──という訳です。

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イベント詳細

イベント名「海の地図PROJECT」能登半島緊急調査報告
日程2025年1月31日(金)
場所東京都港区 日本財団
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