3月8日(土)、輪島市門前町の黒島公民館でのと海洋ふれあいセンターが主催する自然談話会が開催されました。黒島町はかつて北前船貿易で栄え、国指定の重要文化財旧角海家がありましたが、能登半島地震で全壊してしまいました。地震によって、黒島海岸は約4メートルも海底地盤隆起し、汀線(波打ち際)は200〜300メートルも沖に後退。広大な砂浜が出現し、黒島漁港は干上がって出漁できない状況となってしまいました。
黒島公民館で開催された自然談話会には、予想していた倍の40人が参加。地震による能登半島の地形変化と海洋生物の状況に関する高い関心がうかがえました。
最初に登壇したのは金沢大学のロバート・ジェンキンズ准教授。古生物や地球生物学の研究者で、2024年元日の能登半島地震発生以降も海洋環境の変化を調査してきました。
太古の時代から地盤隆起を繰り返しながら能登半島が形成されたこと、西側の外浦が隆起を続けている一方で、東側の内浦や富山湾は沈降していることなどを説明。沢山のみなさんが「へェー!」と驚いていました。
ちなみに日本財団が実施している海の地図プロジェクトの調査では、今回の能登半島地震によって最も地盤が隆起したのは門前町の猿山岬で5.2M。黒島から北に4キロほどの所でした。
続いて登壇したのは奥能登の海藻を研究している石川竜子(りょうこ)さん。10年以上にわたって奥能登に通い海藻の生態や食文化を調べていたところに震災が発生し、輪島に移住。
輪島の素潜り海女達と協力しながら震災後の海中を調査している活動や、潜った海の状態などについて報告しました。
サザエ・アワビ・海藻は輪島の素潜り海女の収入源であり、この海洋環境の復元を見つめていく気持ちを語りました。
最後は、主催者のと海洋ふれあいセンター普及課の東出幸真課長。センターでは震災前から能登の海洋生物を定点観測してきましたが、地震による地盤隆起などによって変化した現象などを解説しました。
イベント名 | 石川の自然談話会「隆起した海岸で 何がおきているのか?」 |
参加人数 | 約40人 |
日程 | 2025年3月8日(土) |
場所 | 輪島市門前町黒島公民館 |
主催 | のと海洋ふれあいセンター |