海に囲まれた日本には、海に関わる民話が数多くあります。恵みへの感謝、海への畏怖などを伝える内容で、それを子ども達にも解りやすい約5分の短編アニメにするのが2018年にスタートした「海ノ民話のまちプロジェクト」。これまでに92本の海ノ民話アニメが作られ、2025年度も25本のアニメを製作します。
石川県では奥能登・穴水町甲に伝わる「エビス合戦」のアニメ化がスタートしています。
一行は沖波から更に1キロ北東に離れた穴水町前波へ。ここには静かな海にポツンと浮かぶ弁天島があります。深紅の欄干が美しい橋を渡って島に渡ると、その中心に恵比寿弁天神社があります。甲や沖波と違って、ここは豊漁の神である恵比寿様と一緒に弁天様が奉られています。
穴水町の甲、沖波、前波の三カ所を巡った沼田心之介アニメ監督は、「穴水町が相撲に関わりが深いことが解ったし、沖波ではエビス様とネコが一緒に居るという“奇跡の光景”が見られたので、アニメにも活かしてみたいと思う」と、海ノ民話「エビス合戦」が伝わる地元ロケハンの手応えを語りました。
一方で「エビス合戦」のアニメ化を提案した岡本伊佐夫さんは、能登の海沿いには数々の恵比寿神社があって、エビス様が各集落の神社を移動したという民話は「大漁を願う漁師達の遊び心だったのではないか」と見解を述べました。
海ノ民話アニメ「エビス合戦」は今回のロケハンで得た情報を作画にも活かされ、年末には短編アニメが完成。年明けの2026年1月には、地元の小学生達を対象とした上映会やフィールドワークを開催する予定です。
イベント名 | 穴水町の海ノ民話「エビス合戦」アニメ化スタート |
日程 | 2025年6月18日(水) |
場所 | 石川県穴水町 沖波・前波 |
主催 | 海ノ民話のまちプロジェクト(一般社団法人 日本昔ばなし協会) |