奥能登は元々の過疎化に加えて、能登半島地震・豪雨によって人口流出が深刻です。能登町の中心部からポツンと離れた鵜川地区。実はここは震災による家屋などの建物倒壊が最も多かった町です。震災発生時は輪島市や珠洲市の被災報道が集中し、鵜川の甚大な被害はあまり伝わっていませんでした。しかし鵜川中心部の風情ある街並みは古い建物が多かったこともあって、約半数の建物が倒壊。現在は空き地だらけとなっているのです。
この鵜川に400年前から受け継がれていると言われるのがにわか祭りです。
あまりに被害が大きく祭りを維持・継承するのも困難な状況で、震災があった2024年夏は、全9町会のうち余力のあった4町会だけが山車・にわかを巡行しました。
今年は全国から祭りの持続継承を支えるサポーターが集結し、9町会全てが参加することが出来たのです。そのうちの1つが東京を本拠地とする一般社団法人マツリズム。代表の大原学さんが参加者を集い、鵜川の神出組のサポートのため、祭り前日の8月22日(金)から現地入りしました。
日本遺産に認定されている「灯り舞う半島 能登〜熱狂のキリコ祭り〜」。能登にはキリコと呼ばれる縦長・長方形の奉燈を担ぐ祭りが沢山ありますが、にわか祭りの山車は一風変わっていて、丸みを帯びた木枠に数百枚の半紙に描かれた「武者絵」が特徴的です。しかも毎年作り替えるので手間暇が掛かります。その作業を担う人達が激減しているのが、鵜川の実情なのです。
数百年に及ぶ伝統の祭りを絶やしたくない──。誰もがそう思っているのですが、あの震災が・・・
そうした能登人を支えたいと、全国から大勢の人達が集まってきたのでした。
イベント名 | 能登町鵜川・にわか祭り |
日程 | 2025年8月22日(金) |
場所 | 能登町鵜川 |
協力 | 一般社団法人マツリズム |