全国各地に伝わる「海ノ民話」。能登では2023年度に能登島に伝わる「蛸神さま」アニメが製作されました。民話には海の恵みや感謝、海への畏れなどの教訓が含まれています。製作された海ノ民話アニメを上映し、海洋国家ニッポンに暮らす私達が、海との向き合い方などを伝えるイベントです。
3連休中の9月14日(日)と15日(月祝)、七尾市の海沿いにある能登食祭市場モントレーホールをメイン会場に、七尾市能登島に伝わる海ノ民話「蛸神さま」短編アニメを上映し、今、地元の海に起きていることを伝えるイベントを開催しました。2日間で親子連れなど50人が参加。司会進行は元石川テレビアナウンサーの加藤愛さん(現在はフリー)。
最初に上映したのは能登島に伝わる「蛸神(たこがん)さま」の短編アニメ。公式サイトでも観られます。
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タコに乗った神様が海から向田町に現れ、信心深い三郎助が神様を自宅のかまどの上にお祀りしたという物語。数年後、集落で大火災が起きたが、三郎助の屋敷の上に大ダコが現れて火の粉を払いのけ、火災から守ったという民話です。
上映会では、のと里山里海ミュージアム副館長・和田学ぶさんが、海ノ民話の伝える教訓や背景について説明しました。
また七尾市と富山県の県境に近い氷見市に伝わる「虻が島の大蛇」アニメも上映すると共に、付近の海で起きている「磯焼け」についても伝えました。
昼食は、7月に能登食祭市場にオープンした「大漁屋(だいりょうや)」の「えのめ丼」。経営は能登島鰀目町(えのめまち)で漁業を営む鰀目大敷網。定置網で獲れた魚介を使っているので、新鮮さが違います!
この日の「えのめ丼」の刺身に使われていたのは、海水温上昇によって漁獲が増えているシイラをはじめ、マグロ、カジキマグロ、アジ、カマス炙り。太平洋のイメージが強いマグロも、能登沖で増えているのです。食を通じて能登の海洋環境の変化も感じることが出来ますね。
実は「大漁屋」は道の駅のとじま1Fに1号店がありますが、震災被害で施設がまだ修復休業中。復活が待ち遠しいです。
昼食の後はバスに乗って能登島へ。海ノ民話「蛸神さま」が伝わる向田町でのフィールドワークです。まずは漁港に降り立ち、和田さんが2024年元日発生の能登半島地震による被害を説明しました。この辺りは30cm〜50cmほど地盤沈下したことや、津波被害もあったことなど。
町では「蛸神さま」が伝わる中屋家を通り、急な坂を登ると愛宕神社が。小さな神社ですが、実は「蛸に乗った八幡様」が奉られているのです。
「愛宕神社」は火を防ぐ神、迦具土命(かぐつちのみこと)で、蛸神さまアニメに登場する火災ともつながります。
イベント名 | 七尾市能登島に伝わる海ノ民話「蛸神さま」イベント |
参加人数 | 2日間合計 50人 |
日程 | 2025年9月14日(日)・15日(月) |
場所 | 七尾市・能登食祭市場、能登島 |