海につながる梯川河口の町並みは北前船の時代を彷彿とさせる…
梯川の右岸から日本海を望む
料理屋「長沖」の豪壮な佇まい
客間「金剛」は北前船主の離れ
源義経と武蔵坊弁慶の歌舞伎十八番「勧進帳」で名高い安宅の関。日本海に注ぐ梯川河口の安宅には、勧進帳だけではなく北前船の歴史も根付いています。安宅住吉神社からさらに海寄りの料理屋「長沖」には、当時の北前船の船主・松村家の離れだった建物が、客間「金剛」として残っています。安宅小学校のこども達にはかなり贅沢な空間ですが、そこは安宅の北前船と海を学ぶため。入らせてもらいました。
北前船 船主の豪壮な生活にふれました
小松市立博物館学芸員・村上さん
貴重な情報をみんなメモします!
梯川左岸にあの銀行のルーツが
ここでの解説は小松市立博物館学芸員の村上昂之さん。こども達が入った部屋が当時、北前船10艘を所有して安宅の海運業の発展に大きな影響を与えた北前船主・松村家の離れだったこと、1回の航海で今の貨幣価値にして北前船1艘で6,000万円〜1億円の収益を誇ったこと、北海道から運んだ昆布やニシンが小松の産業や食文化につながっていることなど、海と安宅と北前船の歴史を分かりやすく伝えました。松村家──そう言えば、安宅住吉神社に船絵馬を奉納していましたね。どれも調査団にとっては大切な情報ばかりでした。
続いて梯川を渡ったこども達は、料亭まつ家・吉祥庵を見学。ここは米谷家の屋敷で、北前船貿易で財を成した米谷家は「米谷銀行」を創立したのですが、それが現在の北國銀行のルーツなのです!!
船主屋敷・瀬戸家には北前船の情緒が溢れています
瀬戸家屋敷には今も子孫が居住
豪壮な建物が維持されています
玄関を入ると瀬戸家の船絵馬が
北前船8艘を所有し、松村家と肩を並べる大船主だったのが瀬戸家。どっしりと構えた壮麗な屋敷には今も子孫が暮らしています。玄関をくぐった途端、タイムスリップしたような感覚に。北前船が栄えた時代の匂いが充満し、古臭さを感じさせない数々の調度品に目を奪われます。土間には瀬戸家の北前船の船絵馬も──。自分の家が保有していた北前船の絵馬を飾ってある家…。本当に、凄いお屋敷です。安宅の船主屋敷を見ると、北前船を幾艘も所有していた大船主達が大変な経済力を誇っていたことが良く分かります。
■「北前船安宅こども調査団」は8月4日(土)11:45から石川テレビで放送
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