2月23日(土)「第1回いしかわ海洋教育フォーラム」が金沢海みらい図書館で開かれました。
最先端の海洋教育を実践する能登町。文部科学省特定校・小木小学校が実践している“里海科”をサポートする能登里海教育研究所が主催した「第1回いしかわ海洋教育フォーラム」は、能登町から石川県全域に北陸に、そして全国に、世界に、非常に大切な海洋教育を広げていく為の知恵を絞るフォーラムでした。最初に鈴木信雄金沢大学教授が挨拶し、広島大学の加藤亜記准教授が「海藻から分かる海の環境」と題した講演を行いました。地球温暖化の影響でこの100年間で能登沖の日本海の海水温が1.71℃も上昇(世界平均0.54℃)しており、藻場が消滅する海域が増えている、つまり海藻が生きられない海洋環境が増えているそうです。能登には様々な海藻を食べる食文化がありますが、そう言えば能登の人達は「海藻が採れなくなった」と言います。全国的に有名な輪島の海女漁は、アワビやサザエを採る素潜り漁、その貝類は海藻を食べて育つのですが…。
深刻です──。
パネルディスカッションには能登で海につながる活動をする4名が登壇。松波中学校教諭・藤田大介さんは、2018年に中学生が行った漂着プラスチックごみの回収と調査について発表しました。ふるさとの海に漂着したペットボトルやレジ袋を清掃した生徒達には強い問題意識が芽生え、町民に問題を動画で発信したそうです。他のパネリストも「とにかく海に行って、実際に見て、体験すること」と強調しました。
私達の海が、今どうなっているか、見に行きませんか。
株式会社/一般社団法人のピリカは東京にあります。「海洋ごみの問題を科学技術の力で克服する」という強い意志を持つ組織で、代表は小嶌不二夫さん。実は海洋教育フォーラム開催に先立つ2月18日に小嶌さんに会ってきました、もんじゃ焼きで有名な月島でアルバトロスの使用方法を聞きました。ペットボトルやレジ袋、発泡スチロールなどの他に、一見して分からないマイクロプラスチックごみが川から海に流出しているそうです。それをアルバトロスで回収・分析し、発生源を調べて問題解決に役立てようと言うのです。今、非常に注目されている活動です。
では、回収されたプラゴミとは?
アルバトロスで回収したマイクロプラスチックを、ピリカは科学的に分析し発生源を特定します。昨年は東京湾に流れ込む東京・神奈川・千葉など国内外の河川38ヶ所で回収調査を実施。その結果、東京の海に流れ込むマイクロプラスチックには、人工芝(!!)の破片や農業用肥料カプセルなどがあることが分かってきました。なるほど、こうして成分や発生源が分かれば、流出対策を考えることが出来ますね。凄い!!
能登里海教育研究所がいしかわ海洋教育フォーラムでアルバトロスを展示したのは、今年、石川県の河川や潟でもアルバトロスを使った調査を行うからです。やや遅れ気味に見える石川県の海洋ごみ調査。今年は私達も積極的に調査分析の取材と報道を行っていきます。
イベント名 | 第1回いしかわ海洋教育フォーラム |
参加人数 | 50人 |
日程 | 2019年2月23日(土) |
場所 | 金沢海みらい図書館 |
主催 | 能登里海教育研究所 金沢大学環日本海域研究センター臨界実験施設 |