能登町・小木小学校のこども達がふるさとの海を学ぶ「里海科」の公開授業(その2)です。
5年生の“里海科”は理科室で。小木小学校の海洋教育をサポートしている能登里海教育研究所の博士研究員・浦田慎さんがゲストティーチャーとして授業を行いました。ウニが受精し、命が生まれる瞬間を顕微鏡で観察するカリキュラムで、昨年6月25日に金沢海みらい図書館で開かれた「海とみらいと科学の日」でも行われた実験。こども達の生き生きとした目が印象的でした。好奇心が「学びの心」を育むことを実感。こども達は“里海科”で故郷の海を学びながら探究心を培い、それが他の一般教科の成績上昇にもつながっているのだとか。
公開授業の後は、体育館で「能登の海洋教育シンポジウム」が開かれました。シンポジウムは日本財団が展開する海洋教育パイオニアスクールプログラムの支援も受けています。東京大学海洋アライアンス海洋教育促進研究センターの日置光久教授がコーディネーターを担い、パネリストは能登町で海につながる仕事をしている4人の皆さん。日置教授は、四方を海に囲まれた日本で海洋教育を実践することの意義を語りました。
徳洋水産の蟹豊文専務は、小木の中型イカ釣り漁船に乗船した時の映像をスクリーンに投影しながら、好漁場・大和堆に現れた北朝鮮の木造船による違法操業が如何に危険な行為かを切々と訴えました。
能登町鵜川の定置網漁業・日の出大敷取締役の中田洋助さんは5代目網元、若干32歳の漁師です。昨年の“里海科”公開授業ではゲストティーチャーとして漁師仕事のやりがいを6年生に伝えていました。幼い頃から漁師である父の背中を見て育ち、漁師に憧れていたそうで、地元の海の恵みを実感しています。
小木小学校の海洋教育をサポートしている能登里海教育研究所の博士研究員・浦田慎さんは、里海科のカリキュラムを構築する立場からの発言。実際に“里海科”の教壇に立って4年目を迎えた6年担任の加賀浩教諭は教育現場の生の声として、こども達の海に対する意識の変化について発言しました。
こうした海洋教育の実践がこども達の好奇心をかき立て、海を大切にする心を育んでいくのですね。
イベント名 | 里海科研究発表会・能登の海洋教育シンポジウム |
日程 | 2018年7月13日(金) |
場所 | 能登町立小木小学校 |
協力 | 能登里教育研究所 |