レポート
2019.12.09

日本動物学会・中部地区大会に大麦ストローも登場

海に関わる生物の研究結果報告もありました

  1. 会場となった金沢市文化ホール
  2. 海や陸の多様な生物の研究結果
  3. イカリモンハンミョウの報告も

12月7日(土)~8日(日)に金沢市文化ホールで日本動物学会・中部支部大会が開催されました。会場には石川県の金沢大学や様々な研究施設の研究者らが集まり、海や河川の魚貝生物をはじめ、海浜に生息する昆虫、動植物などについての研究報告がありました。
取材に行った8日(日)午前は、本州では唯一、石川県の能登半島・西側海岸の一部の海浜に生息する昆虫で、絶滅危惧Ⅰ類に選定されているイカリモンハンミョウの生息環境や個体数の調査結果についての報告がなされていました。かつては金沢市から内灘~かほく市~千里浜などに生息していた肉食のイカリモンハンミョウですが、河川や海岸の護岸工事等による開発や、波による砂浜の浸食、千里浜なぎさドライブウェイの車両走行など様々な要因によって、姿を見かけなくなり、一時は絶滅していたと思われていたそうです。しかし1994年に羽咋市と志賀町の一部で再発見され、現在は約2~3kmの砂浜に限定的に生息していることが確認されています。
ここ数年、個体数は回復傾向にあるそうですが、人間社会の影響で絶滅が危惧されている昆虫であることは事実です。かつて豊かな環境を支えていた海が、多様な動植物が生息できる海浜環境を築いていたことが推察できる内容でした。

会場には「大麦ストロー」体験コーナーも!!

  1. 海と日本プロジェクトの掲示も
  2. 海を守る「大麦ストロー」体験
  3. 能登の「海の観察ガイド」配付

会場の一角には能登町で展開されている海洋教育をサポートする能登里海教育研究所が中心となって製作したこども向けの「海の観察ガイド」なども置かれていたほか、海を守るために開発され2019年夏から本格販売されている「大麦ストロー」の体験コーナーもありました。こうした掲示の背景には、地球規模の緊急課題となっている海洋プラスチックごみ問題も横たわっています。
海や河川、砂浜などの生態系が人間の生活によって脅かされています。一部の研究者を除き、私達がなかなか目にする機会のない魚貝や昆虫の生命。その動向を知ることも海の環境を守る意識を高めます。

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イベント詳細

イベント名日本動物学会中部支部大会
日程2019年12月7日(土)〜12月8日(日)
場所金沢市文化ホール
主催日本動物学会中部支部大会 中部支部大会実行委員会
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