「海の学校 in 加賀橋立」には橋立小学校5年生11人が参加。まず午前中は北前船の豪商を輩出したふるさと橋立と海の歴史を学びました。開会式では宮本陸加賀市長があいさつに立ち、2016年度に「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間〜北前船寄港地・船主集落〜」として文化庁の日本遺産に認定された加賀橋立の歴史を学び、ふるさとに誇りを持つよう激励しました。
最初に訪れた北前船の里資料館は、船主・酒谷長兵衛の屋敷です。加賀市の学芸員・武藤真由さんが、北前船の概要を解説した後、海に浮くように作られた船箪笥の構造を説明。こども達が特別に持ってみると、見た目と違って軽いのに驚いていました。
北前船の里資料館には加賀一帯の船主が奉納した貴重な船絵馬や仏壇、歴史ロマンあふれる引き札(昔の広告チラシ)など沢山の文化財が展示されているので、北前船を学ぶならまずここを訪れて下さい。
続いては橋立に遺る様々な北前船の遺産を見学。これほど多くの屋敷跡が現存するのは全国随一。まず訪れたのは、名高い豪商・西出孫左衛門の屋敷跡。建物はほとんど残っていませんが、福井県の足羽山一帯から切り出されて運ばれた笏谷石(しゃくだにいし)が屋敷を囲む石積みに使われていて、その敷地面積の広さが西出家の財力を物語っています。
橋立地区会館に戻った児童達は、小樽市総合博物館の学芸員・菅原慶郎さんのリモート授業を受けました。テーマは「加賀橋立と北海道のつながり」。観光スポットとして名高い小樽の運河街に立ち並ぶ石造りの倉庫は、加賀や越前の北前船主が築いた営業倉庫だったのです。中でもシンボルとも言える小樽市総合博物館は西出孫左衛門と西谷庄八の所有する倉庫でした。
鉄道などの発達で北前船が廃れ始めると、西出家は北海道に移住、北洋漁業の基礎を築きます。その財力は凄まじく何と世界三大夜景と称される「函館山」を所有していたのです。函館山は、かつて「西出山」と呼ばれていたのです。
児童たちは、自分たちのふるさと橋立が、遠く北海道と深くつながっていること、橋立の北前船主たちが北海道の発展に大きく貢献していたことに、驚いていました。
イベント名 | 海の学校 in 加賀橋立 |
参加人数 | 加賀市・橋立小学校5年生児童11人 |
日程 | 2020年10月13日(火) |
場所 | 加賀市橋立町、北前船の里資料館、 |
主催 | 海と日本プロジェクトin石川県実行委員会、石川テレビ放送 |