最後は宇出津のコンセールのとでスルメイカのヒミツを深掘りします。講師は2015年から能登町小木をベースに先進的な海洋教育を行っている能登里海教育研究所の浦田慎主幹研究員。スルメイカってどんな生き物なのか、産卵方法や産卵場所は? 興味深い話が盛りだくさんです。
近年、能登町小木の漁師にとって死活問題となっているスルメイカの記録的不漁。地球温暖化に伴う海水温上昇や、中国や北朝鮮など外国船による違法操業など、日本のイカ釣り漁の危機の背景も伝えます。
続いては調理室に移動して解凍したスルメイカをハサミで解剖する授業。オスとメスの見分け方、イカの血液は青い、イカには心臓が3つもある──など、子ども達にとっては初めて知るコトばかりです。子ども達が手にしたのはプラスチックのような透明な骨。これイカが貝の仲間である痕跡なんだとか…。好奇心を掻き立てますね。
解剖したスルメイカは無駄にしません。今度はフードコーディネーター瀬川しのぶさんが美味しいスルメイカ料理を教えてくれます。ハサミで解体したスルメイカの内臓を取ったら、胴体と足に切り分けます。
イカの足はみじん切りに、イカの胴体には細かく切れ目を入れて、火が通りやすく下処理します。包丁を扱うのでハラハラして見守りましたが、子ども達は意外に手際よく調理していきました。普段から家庭で料理の手伝いをしているんでしょうか?
みんなが作ったのは2品。珍しい「イカの具だくさん ちらし寿司」と「イカのホイル焼き カレー風味」です。調理したイカ料理は、新型コロナ感染対策として会場では試食せず、密閉容器に入れて持ち帰ってもらいました。
実は今回の学びイベントでは、海の学びを活かしたオリジナルの弁当を考えてもらう“宿題”があります。8月4日(水)には、能登町の柳田小学校と小木小学校の子ども達が珠洲市で海藻を学ぶ「さいはての珠洲 海の恵みと漂着物」に参加。海藻をおかずにした弁当を考えてもらっています。それと珠洲の正院小学校の子ども達が考えるスルメイカ料理を組み合わせた【合体弁当】を作るのです!!
出来上がった新しい弁当は、能登丼事業協同組合やイカの駅つくモールで実際に販売することを目指しています。恵まれた里海に抱かれた奥能登の弁当、お楽しみに!!
イベント名 | 能登内浦・海のヒミツ調査隊 |
参加人数 | 珠洲市 正院小学校5・6年生16人 |
日程 | 2021年8月18日(水) |
場所 | 能登町宇出津 コンセールのと |
主催 | 海と日本プロジェクトin石川県実行委員会 石川テレビ |
協力 | 一般社団法人 能登里海教育研究所 |