能登さいはての珠洲で5月に発生した震度6強の地震。家屋倒壊も相次ぎ被害は甚大でしたが、珠洲復興の核となる奥能登国際芸術祭2023が3週間繰り下げて開幕しました。おおまかなエリア別に注目作品などをレポートします。
能登さいはての珠洲で3回目となる奥能登国際芸術祭2023が開幕しました! 初日の9月23日(土)にラポルトすずでアーティストや関係者が出席して開幕式が開催され、泉谷満寿裕珠洲市長が「5月5日の震災がありましたが、何とか開幕に辿り着くことが出来ました。第3回目となる芸術祭を復興への光としたいと思います。人と人を、地域と地域を、さらには珠洲と世界をつなぎたい」と延べました。
まずは中心部の飯田地区。石川の郷土食と言える8番らーめん珠洲店の隣、かつての衣料店がベネズエラ出身でドイツを拠点とする作家ソル・カレロさんの手によって、「La tienda Maaeno」というアート作品に変貌しています。店内外がカラフルに彩られ、タイルをモザイク状に貼るワークショップも。子ども達が遊べる空間もあって、老若男女が楽しい時間が過ごせます。
飯田の商店街には3作品が展示されています。
旧時計店だったスペースと店舗奥の居住部分には、弓指寛治さんの作品「物語るテーブルランナーin珠洲2」が。地元の人達から聞いた話で下絵を描き、それが布地に裁縫で表現されています。人々の暮らしや思い出にじっくりと浸って欲しい作品です。
タクシーの営業所だった建物2階には、栗田宏一さんの作品「能登はやさしや土までも」。床に描かれた能登半島の地図に、土地の特徴を示す「土」が配置されていますが、その土質や色は様々です。
飯田今町交差点角にある休憩所「あいあいぱーく」。その向かいにあるのがのらもじ発見プロジェクトの作品「いいよ、いいまち、いいだまち。」
戦後復興で高度経済成長を成し遂げた日本。1970年頃にはカラーテレビや冷蔵庫などの家電が爆発的に普及し、ニッポンは元気でした。それから半世紀、各地の商店街には閉店が相次ぐ寂しい状況…。作家達が掘り起こしているのは、「元気だった商店の看板と文字」です。
イベント名 | 奥能登国際芸術祭2023 |
日程 | 2023年9月23日(土)〜11月12日(日) |
場所 | 珠洲市全域 |
主催 | 奥能登国際芸術祭実行委員会 |