珠洲市の外浦で最も住民が多かったのが、大谷地区。2024年元日の能登半島地震と9月の記録的豪雨で、静かな町は壊滅的な被害を受けました。唯一のスーパーは地震で全壊したため、住民達は食料品や生活用品を買い求めて、急な峠道を片道30分かけて、内浦側の中心部に出掛ける日々を強いられてきました。
そんな状況を打開し、地域に貢献するためにオープンしたのがみんなのスーパー長橋食堂です。大谷町から2km足らずの隣町にあり、本来は「小さい港のゲストハウス」でしたが、震災以降は宿泊施設としては休業中。
幸い建物の被害は少なく水も電気も来ているので、この1階を小さなスーパーとして活用することになったのです。
みんなのスーパー長橋食堂を切り盛りするのは、震災を機に去年2月から珠洲に復興ボランティアに来ている神奈川県川崎市出身の後藤恵美さん。1階奥には震災前の食堂がありましたが、ここをイートインスペースとし、地域住民の交流の場としても活用しています。
人気商品は、数種類の弁当。この弁当は・・・
震災被害で店舗営業ができなくなった珠洲市の飲食店主達が集まり、去年9月から珠洲市民や復旧工事関係者向けの弁当や料理を作り始めたのが合同会社すずキッチン。道の駅すずなり横にプレハブが2棟あり、弁当部門がすずキッチン、飲食店がすずなり食堂です。
実はみんなのスーパー長橋食堂は、すずキッチンが経営主体、福岡のグリーンコープ生活協同組合連合が支援しています。
すずキッチンはスーパーが開店する午前7時前に、弁当20食を作って届けます。外浦側は飲食店もほとんど無いため、長橋食堂の弁当は大人気! 10時前には売り切れてしまうこともあり、すずキッチンが慌てて補充することも。
スーパーを切り盛りする後藤さんは、「地元の人達の喜ぶ顔が嬉しい」と満面の笑みでした!